
SPR工法は下水道だけでなく、農業用水用水、工業用・排水など、老朽化した様々な管路を非開削で再生します。
老朽化した既設管の内側に、硬質塩化ビニル製のプロファイルによる管路を形成し、その隙間に裏込め材を注入します。こうして、既設管・裏込め材・プロファイルが一体化した強固な複合管を構築し、管路の機能を再生します。
また、「どんな形状の断面でも非開削で水を流しながら」施工できるため、交通や市民生活に対する影響が少なく、また、工期・工事費とも開削工法と比べ大幅に削減でき、現代の社会・経済環境にたいへん適した工法です。
※SPR工法及びオメガライナー工法は国土交通省NETISに登録されています。
登録番号:SPR工法(kt-990074)、オメガライナー工法(kt-050096)
新技術情報提供システム(NETIS【ネティス】)とは
国土交通省は、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)を整備しました。NEITSは、国土交通省のイントラネット及びインターネットで運用されるデータベースシステムです。
下水道の既設管には円形管の他にも、矩形渠(ボックスカルバート)や馬蹄形渠(アーチカルバート)など、さまざまな管形状があります。このような異形管渠の更生工法として、新たに開発しているのが「自由断面SPR工法」です。もちろん非開削で下水を流しながら施工でき、どんな断面の管渠でも、どんな長いスパンでも自由に更生。
また勾配をつけての施工も可能で、流下能力を甦らせます。「自由断面SPR工法」は次世代の下水道リフレッシュに、フレキシブル&ダイナミックにお応えします。
工法の原理
スチール補強財を組み込んだプロファイル(硬質塩化ビニル樹脂)を自走式製管機に供給。製管機の嵌合ローラを回転しながらプロファイルを所定の断面形状に成形します。円形断面以外の場合、既設管と相似のガイドフレームを作ることにより、どんな断面でも製管できます。
また、既設管内を製管機が自走し、更生管を管内に構築していく方式のためフリクションの影響を受けず、長距離の製管が容易にできます。
製管後は既設管とのクリアランスに特殊裏込材を充填して強固な複合管を築造します。
工法の特徴
- 円形、矩形渠(ボックスカルバート)、馬蹄形渠(アーチカルバート)、どんな断面でも自由に製管できます。
- 下水を流しながら施工できます。
- 長距離および曲線の製管が可能です。
- マンホール間を一定の勾配をつけて更生できます。
- 更生後の流下能力は更生前の設計流量と同等以上になります。
- 更生後の管渠強度は新管と同等以上復元します。
- 更生管渠は耐久性、耐摩耗性、および耐薬品性に優れています。
プロファイル

予めスチール補強材を組み込んだプロファイルがドラムに巻かれています。
【プロファイルの嵌合機構】
- プロファイルは、製管機で両端がダブルロックされ、強固な管を形成します。
- メインロックとサブロックの嵌合、シール材の圧接により嵌合部の滑りが防止され、水密性に優れた更生管に製管されます。
製管
- 自走式製管機にスチール補強材入りプロファイルを供給。
- 2つの嵌合ローラがガイドフレームに沿って回転し、プロファイルをガイドフレームの形状に成形。
- 既設管内を製管機が自走し、更生管を製管しながら進む。
- 長いスパンで更生材料が不足する場合、製管途中でスチール補強材をはめ込んで接続。
浮上防止兼支保工
- 裏込め材注入の際に、更生管の浮上や変形防止のため更生管内に支持保工を設置
- 裏込め材を注入しながら浮力を利用し、更生管が設計通りの勾配になるように、計画勾配線に対してジャッキベースの高さを調整し、勾配を設定。
自走式製管方式 ハートSPR工法
形状記憶塩ビ管更生工法 オメガライナー工法
平行四辺形の下水道管渠 RPC工法